陶芸と地域づくり

会社を辞めて、陶芸をはじめるために、京都の職業訓練校に通う人のブログです。

数ある選択肢の中で、なぜ京都の職業訓練校を選んだのか振り返る。

大型連休に入りましたね。俗にいうゴールデンウィークというやつです。恐らく多くの人が実家へ帰省したり、旅行へ行ったりするのでしょう。しかし私は京都という日本を代表する観光地に現在進行形で住んでいるので、わざわざ移動する必要がありません。何たる幸運。枕を高くして眠ろうと思います。今日はいい夢が見れそうです。

さて、ゴールデンウィークといいますと昨年。昨年は満を持して実家へ帰った記憶があります。実は今通っている京都府陶工高等技術専門校へ入学を志した際、恐らく実家にも迷惑をかけることになるだろうと、帰省して両親に相談したのがゴールデンウィークでした。お金の関係上、仕事を辞めて訓練校に通う間でのおおよそ8カ月ほど、実家に帰省、もとい寄生する必要があったからです。

職業にもよりますが、多くの企業は4月を基準にして年度ごとに1年間が回っているのではないでしょうか。私の前職もそのような形で、4月の年度が明けたころから準備を始めて、5月頭に親に相談、6月末で退職でした(うちの会社では1か月以上前に退職届を出す必要がありました。)。どうやら他にも似たような人もいるようで、ここ数日でちらほらと、訓練中に見学の人がいらっしゃるようになりました。

 

ということは、今の時期に陶工の情報が欲しい人がいくらかいらっしゃるのではないでしょうか。実際に私自身、インターネット上にある陶工に関する情報が少なすぎて、とても苦労した記憶があります。そういったこともあったので、陶工への入校を考える人に少しでも役立てばと思って、このブログを始めた側面もあります。

ですので、私の持っている陶工についての情報や入校試験等の体験談を記事にしてみようと思います。せっかくゴールデンウィークで時間が有り余っている(戦略的に家にこもっているだけであり、決してお金がないわけではない)ので、頑張って思い出しながら、数日に分けて書いていこうと思います。

 

今日書くのは、「なぜ京都府立陶工高等技術専門校を選んだのか」についてです。実は陶芸に関する職業訓練校は公営・民間を合わせれば全国各地に存在します。大学まで視野を広げると、陶芸を学ぶためにはたくさんの選択肢があります。恐らく「仕事を辞めて陶芸を学ぼう」という人にとって最初の壁は「どうやって?」になるかと思います。

そんな人たちにとって参考になれば幸いですし、下手すれば入校試験の時の面接の参考になるかもしれないですしね。でも、間違ってもお金関係の話は面接では言わないでくださいね。現金な奴って思われるので。

 

【検討の流れをざっくりフロー図にしてみました】

ざっくりなフロー図(筆者作成)

①勉強か弟子入りか。

学ぶ場所の選択肢もありますが、その前段階で弟子入りという選択肢もあります。以前別の記事でも少し触れましたが、私は学校のような場所で教えていただくほうが最短ルートだと思い、弟子入りは選択肢から外しました。一刻も早く現場で経験を積みたいという方は弟子入りもありだと思います。

tougei-chiiki.hatenablog.jp

 

②大学か訓練校か。

大学と訓練校の違いは、大きくは2つの違いがあると思っています。1つはアーティストになりたいか職人になりたいかです。もちろん訓練校は後者で、これは職業訓練校という特性上、「手に職をつける」ための訓練を行うからです。大学では個性を大切にして自由な表現の作品を作ると聞いています。

ちなみに訓練校の同級生から聞いたのですが、どうやら訓練校によっては比較的、表現特化の場所があるようです。ここはちょっと知識不足でわかりません。

2つ目は学費です。大学は授業料がけっこうかかりますが、訓練校の年間の授業料は〜20万程度で済むので圧倒的に安く済みます。

私は職人を目指して、技術で商売をしたいと思ったのと、仕事を辞めるとお金に余裕はなかったので訓練校を選択しました。

 

③公営の訓練校か民間の訓練校か。

訓練校といっても都道府県が運営する公営の訓練校と、運営を民間企業による訓練校があります(民間の方は正しくは「訓練校」ではないようですが、都道府県・市町村の施設で民間が運営しているものは、今回の記事では「訓練校」と書かせていただきます)。

1番の違いは公営の訓練校では通っている期間中、雇用保険を受給できることです。例えば3ヶ月間の給付の人でも、1年間訓練校に通う場合は通っている1年間、延長して雇用保険が給付されます。仕事をやめて訓練校に通う人は要チェック事項ですね。

あと、公営の訓練校のほうが比較的授業料が安いようです。ですので、コストを抑えてかつ安定した収入を確保しながら訓練校に通いたい場合は、公営の訓練校の方がおすすめです。

一方で民間による訓練校のほうが、おそらく時代の変化に柔軟に対応した、もしかするとより質の高い訓練が受けれるかもしれません。

もちろん公営の訓練校も、技術ある指導員の方が十分質の高い訓練を行っています。ただ、公営は税金がそのまま運営資金となっているためその用途は常に理にかなったというか、一切の無駄がない用途でなければなりません。また、一度決まったカリキュラムを変更するためにも、その変更の合理性をきちんと検討する必要があるかと思います。

ですが民間による訓練校では、基本的に民間の組織が自由にカリキュラム等を調整できるので、常にブラッシュアップされた訓練が行われている可能性があります。真っ当に運営されていればの話ですが。

ですので、どちらの訓練校も一長一短であると思いますが、私は訓練校に通うためには、いずれの場合であっても実家を離れて独立した生計を立てる必要があっただめ、金銭面で公営の訓練校を選択しました。

ちなみに私が調べた、民間の訓練校は以下の通りです。多分探せば他にもたくさんあります。

www.itic.pref.ibaraki.jp

www.city.tajimi.lg.jp

www.shiga-irc.go.jp

www.scrl.gr.jp

 

京都府か愛知県か。

公営の訓練校ですが、2023年現在、全国に2校しかありません。京都府の「京都府立陶工高等技術専門校」と愛知県の「名古屋高等技術専門校窯業校」です。

www.pref.kyoto.jp

www.aichivti.ac.jp

 

私は結果的に京都府の方に通い、愛知県の方には通っていないので内情はわかりかねます。ですので実際に通う前に選ぶときに外部から見て決め手となった要素を書かせていただきます。

まず入校試験の時期。これが明確に異なりますし1番大きな要素となりました。京都府オープンキャンパスが7月、1次募集の選考が11月、2次募集の選考が2月です。一方愛知県はオープンキャンパスが12月〜1月、選考が3月のみです。

入校試験を受ける側からすると、愛知県の訓練校のみ受けるのはあまりにもリスキーです。ですので、京都府を夏に受験して、進路確定の機会を増やしました。それで先に合格したので京都府にした、という側面もあります。

それから、SNSやホームページ等の更新頻度も検討にあたっての要素にあります。内情がわからない以上、積極的に情報発信しているというのはとても好印象でした。

そして立地も要素としてあります。京都府の訓練校は京都市内にありますが、愛知県の方は…生活もなかなか大変そうな印象でした。もし日常の足としてバイクや車が必要になった場合コストがかかるので、なるべく住みやすい方を選択しました。

正直私は、陶芸が学べれば場所にはこだわらないスタンスだったので、入校時期等の効率を重視して選択しています。

ただ、明確に「こんなことを学びたい」という目標があるのであれば、より内情を調べて検討すべきだと思います。ただし京都府の方は随時見学を受け入れていますが、愛知県の訓練校は見学は12月〜1月の指定された日程のみです(私は愛知県の訓練校に、7月頃に電話で見学したい旨を伝えましたが、オープンキャンパスの日程に来校するよう伝えられました)。ので、両校を直接見学して検討したい場合、入校試験を受けることができるのは2月以降になるので、精神衛生上あまりよろしくありません。

 

最後に

もしかすると、熱い気持ちをもって陶芸を始めようとしている人にとっては、拍子抜けの記事だったかもしれません。私が選択するにあたっては金銭面と効率性ばかり意識してましたからね。

ただ、現実的な話として、新しいことを始めるにあたってお金の問題には必ずぶつかります。そして、訓練校についてなかなか情報が少ないので、効率的なのはどっちか、としか選択のしようがなかったというのもあります。

記事の区切りがつけれなかったので、長い記事となってしまいました。次回は京都府立陶工高等技術専門校オープンキャンパスの様子など書ければいいなと思います。