陶芸と地域づくり

会社を辞めて、陶芸をはじめるために、京都の職業訓練校に通う人のブログです。

箸置きについて考える。

陶工訓練校の課題で、「箸置き」をつくることになりました。しかも、既定の品をつくるのではなく、自身でコンセプトやデザインを考えて、オリジナルの品を作り上げるというものです。うーん、楽しそう。

ところで箸置きって、実は使ったことないんですよねー。いや、使ったことはあると思うんですけど、祭事でのお食事会みたいな感じの時にテーブルに置いてあったような、、ぐらいで全く印象に残ってないです。実質使ったことないのと一緒ですね。

使ったことがないので、どんな箸置きが売られているのかよくわかりません。ということでインターネットで軽く見てみることにしました。

 

ネットで「箸置き」と調べると多種多様ですね。シンプルで品があるものやキャラクターでキャッチ―なもの、キノコなど食材のデザイン等々。珍しいものだと一輪挿しになっているものもありました。食卓に箸置きが置いてあると、ちょっとしたアクセントになりますから、いろんなデザインの箸置きを持っていると毎日の食事が楽しくなりそうですね!

それに訓練校の講義で聞いたのですが、箸置きにはもともと特別な意味もあったそうです。お食事は、言うなれば食材となった生き物の命をいただいています。ですので、私たちが生きている場所を「この世」だとすると、お食事は向こう側になるそうです。そして、その境界線がお箸になるそうですので、日本式ではお箸を、食事と私たちの間に横に並べるそうです。そのお箸を置くために箸置きは用いられていたんですね。

そういう文化の話を聞くと、箸置きがとても欲しくなりますね。私も生活の中で食材の命を意識しながら食事をしたいものです。ですが、今の世の中箸置きが必ず必要かといわれるとそうではないので、購入のハードルが高いのは確かです。

 

課題について、まだデザインやコンセプトは粗削りですが、今の若い世代、箸置きをあんまり使っていない世代が箸置きを使いたくなるようなものを考えてみたいと思います。伝統的な日本の考え方は、たとえ形が変わったとしても後世まで残ることは意義があるような気がするからです。つまり、たとえ「あの世」「この世」などを意識していなくても、別の意味合いで同じような作法で箸置きが使用されれば、昔の人たちが大切にしてきた思いは繋がっていくのではないかな、と思うんです。今の若い人に、命の大切さにより感謝するために箸置きを使いなさい、と言っても仕方がないですからね。

今回の箸置きのデザインコンセプトは、ゴールデンウィーク中の宿題となっています。ゴールデンウィーク中にゆっくりと考えてみようと思います。