箸置きのデザインに3DCADを使ってみた。
時はゴールデンウィーク直前。訓練生全員に、箸置きのデザインとコンセプトを考える宿題が課されました。
先日の記事で書いたのですが、「箸置きを使ったことがないような人が箸置きを使いたくなる」というコンセプトでデザインを考えてみます。
今の時代、なかなか箸置きを購入してもらおうにもなかなか手が伸びづらいもの。でも、もし小さい頃から箸置きを習慣的に使っていれば、大人になっても箸置きを使い続けるかもしれない。と、いうことで小さな子供、特にボーイズが喜びそうな「スーパーカー」の箸置きをデザインします。
ところで、車って形状がかなり複雑で、そう簡単に図面を引くことができません。まずは何とか頭の中のイメージを形にしなければ、ということで「3DCAD」を利用してみます。幸いなことに私の手元にはipad君がいます。APPLEのアプリなら無料で何かよさげな3DCADがあるだろう、ということで、ポチポチ探してみます。
色々探してみた結果、「Shapr3D」というアプリが良さげだったので使ってみます。操作が簡単、動画で使い方を説明してくれてわかりやすい、無料でも十分使える、のハッピー3点セットです。
学生時代、ちょっとだけ「Google sketch up」という3Dモデリングのソフトを使ったことがありまして、操作感が似ていたので割とスムーズに使うことができました。
このモデルをもとに石膏型を作るのですが、石膏からの抜け勾配を考えたり、箸置きとして箸を受け止める部分を設けたり等々、考えることが多かったので、なんだかんだで半日ぐらいかかってしまいました。。つ、つかれた。。
「Shapr3D」を使ってみての感想ですが、直感的に形を作れるのでイメージを沸かせるための”原案”みたいなのを考える上では非常に有用だと思いました。ただ、細かい部分やちょっとした勾配、滑らかな曲面などを描くのにはとても時間がかかります。ので、shapr3Dの中で完成品を作り上げるのは非常に技術と時間が必要になると感じました。
私の場合は、最終的にA4のプリントに平面図および断面図を描いて提出する必要がありました。ので、手書きにて提出案を描くことにします。shapr3Dでは、簡単に横・前・下等の平面を表示できます。ので、それをもとにカキカキ。
3Dモデルではなかなか描き切れなかった細かな勾配や丸みなどを描いて、完成です。
さて、今回箸置きを3DCADでデザインしてみたのですが、イメージを簡単に形にできた、という点ではよかったと思います。一方で、3DCADでデザインしたものをそのまま石膏型で形どり、箸置きとして成形する、というのは陶芸家がやらなければならないことではないなと思いました。極論言えば、この3Dモデルを3Dプリンターで出力して石膏型で形取れば、手で作るよりも高精度な箸置きを誰でも作ることが出来るわけです。
今後は今回デザインした形を粘土をコネコネして作り、石膏で型を取ります。手で形を作る中で歪みとかが出て、良い感じで味が出ればいいなと思います。それから、今後デザインを考えるときには「なぜ陶芸家がこれを作るのか」「なぜ陶器でないといけないのか」などを、あわせて考えていきたいと思います。