陶芸と地域づくり

会社を辞めて、陶芸をはじめるために、京都の職業訓練校に通う人のブログです。

入校試験の対策について(筆記試験・デッサン編)

私が通う京都府立陶工高等技術専門校(以下、陶工専門校)では、入校するにあたって入校試験が実施されます。試験の内訳は「筆記(国語・算数)」「デッサン」「面接」の3種類になります。しかしこれらの試験、いかんせん情報が少ない!!試験対策しようにも、何をするべきか正直よくわからず、迷走した記憶があります。

そこで今回の記事では、私が入校試験に挑むにあたってどのような準備をしたのか、どんなことが効果的だったかをまとめたいと思います。ただ、恐らくすべて書くと長くなってしまうので、「筆記試験・デッサン」と「面接」に分けて書きたいと思います。今回はタイトルの通り「筆記試験・デッサン編」です。

※なお、今回の試験対策は令和4年度に受験した筆者の経験に基づく内容です。したがって、試験内容が変更された場合はこの限りではない可能性があります。傾向が変わっていないかを、オープンキャンパスで配られる過去問等でよく確認してから、その上で参考としていただければ幸いです。

 

 

【筆記試験】

筆記試験は、前述の通り国語と算数のテストが実施されます。問題の難易度ははっきり言ってそれほど高くないと感じました。が、よほど学力に自信がある人でないならばある程度の準備はしておいて良いかと思います。

 

①国語のテスト内容

  • 漢字の読み、書き
  • 語彙の問題(類義語、カタカナ語、四字熟語 等々)
  • 文章問題(文章内の漢字の読み、書き、選択式の文章読解)

いずれの問題も中学生レベルぐらいの問題かなという印象です。とんでもなく難しい漢字の読み書きなどはなく、あくまで一般常識レベルです。ただし、知らなければ解けない問題でもあるので、忘れてしまっている人はリハビリ程度に練習をしておくことが好ましいと思われます。特に最近はパソコン作業ばかりしていて、漢字を書けなくなってきたなーと感じるような、私のような人は注意が必要です。

ちょっと面白い問題だと、語彙の問題でお題に沿ってしりとりとなるように、知っている言葉を5つ繋げる、といった問題があります。受験者それぞれで回答に個性が出てそうなので、皆さんの答えを聞くととても面白そうですね。ちなみに私の時は「国の名前」で5つしりとりでした。地味に苦戦したのを覚えています。

 

②算数のテスト内容

  • 四則計算
  • 2桁×2桁、3桁×3桁の筆算
  • 四則計算の穴あき問題
  • 仕事算、損益算 等々
  • 図形パズル

計算の難易度は国語と同様に中学生レベルぐらいではないかと思います。ただし、仕事算や損益算等、計算はそれほど難しくないけど解き方を忘れてしまっていると苦戦する問題もあります。これらについては解き方を確認しておくと本番で焦ることなく、スムーズに問題を解くことができるかと思います。

それから、最後の図形パズル。IQテストに出てくるようなひらめきを要する問題だと思います。この問題については対策は難しいですね。私も本番で正答できているかどうかは不明です。

 

③各テストの対策

私が実施して、有効だったと感じたのは、国語は「スマホアプリの四字熟語、漢字の読み書き一問一答」、就活でよく用いられる「SPI3の言語の問題」です。算数については「SPI3の計算問題」で過去問と類似する問題を解いておけば十分だと感じました。

私も最初は気づいていなかったのですが、過去問をぼんやりと眺めていて、ふと、古の就活の頃の記憶がよみがえりました。そう、実は入校試験の問題は、SPIの問題と非常にそっくりなのです。そうと気づいてからは、私は「よくわかる中学生国語」といった中学生向けの教材を投げ捨て、SPI3の問題を解きまくりました。

体感ですが、それほど凝った問題は出題されませんし、試験時間も十分に確保されているので、そんなにがっつり勉強する必要はないかと思います。私は算数については以下の書籍で勉強しましたが、この1冊で十分でした。

 

なお、国語についてはこの1冊では問題数が少なかったので、もう1冊買い足しました。さらに私は語彙力の低さに定評があるので、スキマ時間にスマホの無料アプリで「四字熟語」「漢字の読み書き」の一問一答を解いていました。特に漢字の読み書きについてはタッチパネルで直接書き込めるので非常に便利でした。文明の利器に感恩戴徳ですね。

 

【デッサン】

まず、ご自身が美大出身であったり、絵が好きでデッサンもやったことがあるという方の場合は、おめでとうございます。私から言えることは一切ございません。

私はこれまでデッサンなど1度もやったことがないド素人でしたので対策をしましたが、そうでない場合は特に苦労もなくデッサンの試験はパスできると思います。

私と同様にデッサンを全くやったことがないという方は、以下に書く内容を確認した上で、試験まで何度もデッサンを描いてみることをお勧めします。結局描かない上達しないですし、何なら自分のデッサンの何ができていないかも、良く分からないと思います。

 

①デッサンの課題

私が受験した年の課題は、両手で包める程度のサイズの、素焼きで深めの器でした。口の部分で1度くびれていますが、それ以外は凹凸はなく、ぷっくりと丸みを帯びたシルエットでした。説明が下手で、あんまりイメージできない人は丸っこいお茶わんみたいなものと思ってください。

ちなみに、年ごとにデッサンの課題は変わっているようです。恐らく前年度は白い花瓶です。

 

②デッサンの試験で求められるレベル

これは、オープンキャンパスの際に確認しました。「形をきっちりと取れているか」そして、「陰影を違和感なくつけることができているか」。この2点だそうです。デッサンをやったことがある人はわかるかと思いますが、それほど描き込む必要はないということです。私も最初は言っている意味がよく分かっていませんでしたが、デッサンを始めてみてなんとなーくわかりました。

 

③試験環境

一応ですが当日の環境も描いておきます。

まず、広めの教室に長机が並べてあり、その机に1人1つ、課題となる器を目の前に置いてデッサンをします。画板は1人1枚配布されます。鉛筆は持参で、Bか2Bしか使用できません。あと、教室なので課題となる器に四方八方から光が当たるので、あんまり影ができないです。初心者にとっては陰影が描きづらいことこの上ないです。

 

④対策

一応、デッサンの本を買いました。これは何から始めていいか全くわからなかったのでとりあえず買ってみたという感じです。ですが、結局一番良かったのは誰かに教えてもらうことです。私は親戚に美大出身者がいたので1度、描いたものを見てもらったのと、目の前で描いてもらいました。やはり百聞は一見にしかずです。ド素人の私は鉛筆の使い方とか線のひき方とか、そんなところから違うんだなーと思い知らされた記憶があります。可能であればみっちり習う必要はないので、誰かにデッサンを教えてもらう方がいいと思います。

「いや、そんな必要はない。私は完全独学でクリアするんだ」というストロングスタイルの人は、ぜひ紙コップなどを描いてみて「楕円」を描く練習をしてみてください。少なくとも自分は練習しておいて良かったなと思いました。楕円が少し描けるだけでも、デッサンできている気持ちになります。

 

さいごに。

実際のところ恐らくですが、筆記試験やデッサンはそれほど重視されておらず、最も大きな要素となるのは「面接」である可能性はあります。筆記試験についてはそれほどレベルが高くないので、受験者間でそれほど大きな点差が開かないのではないかと考えられます。また、デッサンについては実際に、全く練習をせずに試験に挑み、合格した人もいるみたいです(素で絵が上手かったのかもしれませんが)。

ですが、いくら面接重視とはいえ、同じぐらいの評価の受験生が複数人いた場合に、最後に合否を分けるのは筆記・デッサンかもしれません。それに、余裕をもって筆記試験やデッサンを終えていれば、そのあとの面接に安心して挑むことができると思います。

心の安心のためにも、陶工訓練校を受験される場合は多少なりは準備しておいても良いのではないかと思います。